〇「登記制度・土地所有権のあり方等に関する研究会」(最終報告書) (平成31年2月28日)
(座長.山野目章夫早稲田大学天学院法務研究科教授) (委員:加藤政也司法書士) (資料5 ) 民法、不動産登記
法等を見直し、以下の仕組みを整備する方向で、さらに検討を深める必要がある。
〈所有者不明上地の発生を予防するための仕組み〉
@不動産登記情報の更新を図る方策
・相続登記の義務化等
・登記所が他の公的機関から死亡情報を取得して、不動産登記情報の更新を図る方策(戸籍副本データ管理システム)
A所有者不明土地の発生を抑制する方策
・土地所有権の放棄等
・遺産分割の期限制度( 3年、5年、10年)
<所有者不明土地を円滑・適正に利用するための仕組み〉
@共有関係にある所有者不明土地の利用
・民法の共有制度の見直し
・土地利用を可能にする方策(公告等)、共有関係を解消する方策、共有者を代表する管理権者を選任する方策、共有者による共有持分の時効取得
A所有者不明土地の管理の合理化
・民法の財産管理制度の見直し
・不在者等の財産の一部を管理する方策、複数の不在者等に共通( 1人)の管理人を選任する方
B隣地所有者による所有者不明土地の利用・管理
・民法の相続関係規定の見直し
・ライフラインの導管等を設置するために土地を利用できる制度、近傍の土地所有者等において、土地の管理不全状態を除去する方策
・境界確定のための隣地への立入りや、隣地から越境した枝の切除について検討
〇所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針<工程表〉(令和元年6月14日、所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議) (資料6 )
㋑新しい法制度の円滑な執行㋺土地所有に関する基本制度の見直し㋩地籍調査の円滑化・迅速化
㋥民事基本法制(民法、不動産登記法)の根本的見直し等㋭多様な土地所有者の情報を円滑に把握する仕組み
㋬所有者不明土地の円滑な利活用、土地収用及び運用㋣関連分野の専門家等との連携協力
〇「経済財政運営と改革の基本方針2019 (骨の方針2019 )」(令和元年6月21日閣議決定)
「所有者不明土地等の解消や有効活用に向け、基本方針等に基づき、新しい法制度の円滑な施行を図るとともに
土地の適切な利用・管理の確保や地籍調査を円滑かつ迅速に進めるための措置、所有者不明土地の発生を予防
するための仕組み、所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するための仕組み等について2020年までに必要な
制度改正の実現を目指すなど、期限を区切って対策を推進する。あわせて、遺言書保管制度の円滑な運用に
向けた取組を進めるほか、登記所備付地図の整備を推進するため、筆界特定制度の新たな活用策等について
も検討を進める。」( 64頁)